世界の名馬を日本語で ブログ版 -124ページ目

アリシーバ (Alysheba)

1984~  牡 鹿毛 米国産

Alydar

栗 1975

Raise a Native Native Dancer
Raise You
Sweet Tooth On-and-On
Plum Cake

Bel Sheba

鹿 1970

Lt.Stevens Nantallah
Rough Shod
Belthazar War Admiral
Blinking Owl

 

米国で26戦11勝 (GⅠ9勝

主な勝ち鞍:ケンタッキー・ダービーGⅠ、プリークネスSGⅠ、BCクラシックGⅠ、サンタアニタHGⅠ、ウッドワードHGⅠ

 

2歳BCジュヴェナイル(G1ダ1700m)で直線一気の差し味を見せてカポーティの3着に滑り込み注目を浴びる。3歳ブルーグラスS(G1ダ1800m)では1着入線するも4着に後着し1勝のキャリアでケンタッキー・ダービー(G1ダ2000m)に挑む。直線で前を行くベットトゥワイスと交錯して大きく体勢を崩したが奇跡的に持ち直して優勝。続くプリークネスS(G1ダ1900m)にも勝ってニ冠を達成するもベルモントS(G1ダ2400m)はベットトゥワイスが意地をみせた。BCクラシック(G1ダ2000m)では前年のK・ダービー覇者ファーディナンドと激突。ゴール前で逃げるジャッジアンジェルーチをファーディナンドが捕えると、するどい追い込みでアリシーバが並びかけたがハナ差届かず2着。翌年のBCクラシックでは直線で追い出すと外から上がってきたシーキングザゴールドを1/2馬身突き放して優勝した。

 

参考文献:

『20世紀のアメリカ名馬100』 42位(週刊Gallop収録)

『ワールドスタリオンズ』 p.93

 

【参考】⇒⇒大川慶二郎さんのお言葉1

 

大川慶二郎さんのお言葉1

「私はね、アリシバという馬がすごく好きなんですがね。形がいい馬ですね。」(87年ブリーダーズCクラッシック発走前のゲートでひと言)

 

「あと10mあったらアリシバだったかな。なんかそんなような気がしますね。」(同レース、直線でファーディナンドに迫るアリシーバのVTRを見て)

 

「いやー、いい競馬でしたね。1回抜かれたんですけどね。いい顔の馬ですね。」(88年ブリーダーズCクラッシック、直線で並ばれたシーキングザゴールドを突き放すアリシーバを見て)

 

ビデオ『ベスト・オブ・ザ・ブリーダーズカップ PARTⅠ』 アスク講談社より

 

【元ネタ】⇒⇒アリシーバ(Alysheba)

 

アリダー (Alydar)

1975~1990 牡 栗毛 米国産

Raise a Native

栗 1961

Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory

Sweet Tooth

鹿 1965

On-and-on Nasrullah
Two Lea
Plum Cake Ponder
Real Delight

 

米国で26戦14勝 (GⅠ6勝

主な勝ち鞍:シャンパンSGⅠ、フラミンゴSGⅠ、フロリダ・ダービーGⅠ、ブルーグラスSGⅠ、トラヴァースSGⅠ

  

三冠馬2頭を輩出したカルメット牧場期待の良血馬。“宿命のライバル”アファームド に挑み続けて人気を二分したが三冠レ-スの銀メダルコレクターとなる。3歳はフロリダからスタートしてフラミンゴS(G1ダ1800m)、フロリダ・ダービー(G1ダ1800m)に勝ち、ケンタッキーでブルーグラスS(G1ダ1800m)を13馬身差で勝って三冠戦へ突入。ケンタッキー・ダービー(G1ダ2000m)は後方からアファームド を急襲するも1/2馬身及ばず2着。プリークネスS(G1ダ1900m)では早めに抜け出し逃げるアファームド を捕えかけたが、いま一歩伸びずに首差負け。ベルモントSは(G1ダ2400m)3角からじりじり詰め寄ると直線で壮絶な追い比べとなり、後続を13馬身引き離して2頭ピッタリ並んでゴールしたが、アファームド に頭1つとどかなかった。両馬は2歳から3歳まで10戦してアリダーの3勝7敗。

 

参考文献:

『世界名馬ファイル』 p.118-121,p.114-117(アファームド)

『伝説の名馬2』 p.61-71(アファームド)

『新・世界の名馬』 p.400-414(アファームド)

 

【うまコラム】⇒⇒宿命のライバル

【参考】⇒⇒アリダー(Alydar)の末裔

 

アレッジド (Alleged)

1974~2000 牡 鹿毛 米国産

Hoist the Flag

鹿 1968

Tom Rolfe Ribot
Pocahontas
Wavy Navy War Admiral
Triomphe

Princess Pout

鹿 1966

Prince John Princequillo
Not Afraid
Determined Lady Determine
Tumbling

 

アイルランド、英、仏で10戦9勝 (GⅠ2勝

主な勝ち鞍:凱旋門賞GⅠ(2回)、グレート・ヴォルティジュールSGⅡ、ガリニュールSGⅡ

 

名門V.オブライエン厩舎にあっては目立った存在とはいえず、同厩舎・同オーナー(R.サングスター氏)のザミンストレルが英・愛ダービーで活躍するのを横目に裏街道を走る。グレート・ヴォルティジュールS(G2芝2400m)で英、愛ダービー入着馬を軽く一蹴すると大本命でセントレジャー(G1芝3000m)に参戦。エリザベス女王の持ち馬ダンファームラインの猛追に遭い1馬身1/2差で敗れたが、結局これが生涯唯一の敗戦となり、凱旋門賞(G1芝2400m)では第1コーナーの手前で先頭に立つとそのまま2着バルメリノに1馬身1/2差をつけて逃げ切り勝ち。翌年は夏にウイルス性感染症にかかり“キングジョージ”は断念したが、秋には完治して2度目の凱旋門賞に本命で出走。2番手から直線で先頭に立つと他馬を寄せ付けることなく完勝し、史上6頭目(連覇は5頭目)の凱旋門賞2勝馬となった。

 

参考文献:

『伝説の名馬2』 p.251-261

『新・世界の名馬』 p.367-381

『サラブレッド・ビジネス』

 

サラブレッド・ビジネス

 

『サラブレッド・ビジネス――ラムタラと日本競馬』

江面弘也著 文春新書 2002

 

 

“奇跡の馬”ラムタラを日本に輸入すべくイギリス・ニューマーケットを訪れた矢野秀春ら発起人5人。スタッド従業員からは1杯のお茶すら出されず、契約を交わすペンからはインクが抜かれていた。

 

44億円で日本にやってきたラムタラの物語を始め、イギリス近代競馬の成立から“強いドル”におされて台頭したアメリカ。オイルマネーを惜しげもなく投入するマクトゥーム一族の進出や、円高を楯に世界市場に乗り出した日本など、競馬をビジネスの面から捉えた1冊。まえがきにも書かれているとおり、馬券にはなんの役にも立ちません。

 

「馬は金のあるところに集まる」―これが競馬産業の基本であり、歴史そのものなんですね。

 

とはいえ、供養国を間違えたが故に“血”を残せなかった名馬って、どれくらいいるんでしょうねぇ。やっぱりニジンスキーの血は欧州に残しておいた方がよかったんじゃねーの?などと思ってしまう私はやはりビジネスがわかっていないのでしょうか。。。